士郎正宗の代表作と言えば、まず攻殻機動隊、そしてアップルシードだが、忘れちゃいけないのが本作、ドミニオン。これらは3作とも婦人警官を主人公としたSF漫画だが、攻殻機動隊とアップルシードは世界観があまりにもぶっ飛びすぎていて、作品を理解するのにある程度の予備知識が必要なほどのハードコア路線を突っ走っているが、ドミニオンは敷居がそれほど高くなく、比較的読みやすい。それでも漫画作品としてはかなり難解な部類に入るとは思うのだが。
ドミニオンでは、警察戦車隊という治安維持部隊が主役になっている。警察戦車隊は捜査活動などは行わず、通常の捜査班の手に負えないような事態に、戦車に乗って出動する。なので、ドミニオンはアクション性の高い作品になっている。主人公はボナパルトという名前の小型戦車で街中を破壊しながら走り回り、犯罪者に向かって砲撃しまくる戦車マニアの女隊員。このボナパルトのデザインは、さすが士郎正宗という感じの機能美を見せつけている。機動力に優れた小型戦車が、街の建築物などをうまく利用して、隠れたり盾にしたりしながら巨大な重戦車や戦闘ヘリと戦う場面は爽快感抜群だ。そしてただのアクション漫画には留まらず、奥深いストーリーと、緻密なモブ描写(メインストーリーと直接関係のない群衆や背景の描写)によって表現される独特の世界観、それを支える画力は、やはり圧倒的に凄い。
続編のドミニオン・コンフリクト編も、本作の全ての要素が数段パワーアップしたような大傑作。しかも完結していない。続きが出るのを10年以上待ち焦がれているのだが・・
なお、あまり話題にはならなかったが、去年、防衛省が新型戦車を公開している。下のリンクからその戦車の画像を見られるが、普通の住宅街みたいな場所をバックに映っている戦車は、ちょっとドミニオンを連想させる。
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